〝梅雨空に「九条守れ」の女性デモ〟・・・これは作者が銀座で出会ったデモを詠んだ俳句です。季語も状況描写も、訴える中身もしっかりしている立派な作品です。作者はさいたま市内の三橋公民館の俳句会グループで学び、会から推薦され、公民館だよりに掲載されるのが通例でしたが、公民館から載せないと断られたのです。載せない理由も訂正したりして、今では「世相が二分する内容は掲載しない」としています。
 世の中の演劇であれ、絵画であれ、社会問題も二分も三分するのが自然で「一色にされた世界」の方が怖いではありませんか。一色の世界はあの戦争で日本は体験ずみです。
 たかが「公民館だより」だとしては、見過ごせない。教育長は「教育現場は中立で、時節柄集団的自衛権反対の句ではないか、ましてや滋賀県知事選の投票、真近なので」と新聞記者に語っているではありあせんか。中立どころではありません。
 3か月経っても世間の追求の眼は厳しい。それは公民館での出来事だからです。日本は戦後「学校教育と社会教育」に重点を置いて民主国家として再出発しました。その中にあって公民館は天皇中心の軍国主権から国民主権・民主主義に移行するために、国は設置を進めてきました。その原点が揺らぎ始めています。
 公民館は学校教育と同様に民主主義の学びの場として誕生し、現在でも重要な社会教育施設です。ですから、教育委員会や公民館長が自己判断でかってに判断して住民に押し付けてはならないのは当然なのです。住民としては憲法にしろ市政にしろ集まって学ぶ場所、それが公民館です。住民が職員を呼んで学習をしたり、説明してくれるなど、これからも、開かれた公民館活動が保障されるよう、見守る必要があります。
西川口3丁目  嶋田 耕作
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Author: MichiyaHIRAKAWA

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