マイナンバー廃止、地方から声を

 今年1月から、社会保障・税番号制度、いわゆるマイナンバーが運用になった。ところがカード発行を担う地方公共団体情報システム機構(J-LIS)のシステムに不具合があり、カード発行が大幅に遅れるなど、波乱含みのスタートとなった。

 現在のところは、各申請書類にマイナンバー欄が追加されただけで、負担増となっている。企業も従業員のマイナンバー(個人番号)を適切に管理する義務を負うことになりこれも負担増。政府は「行政手続きが簡素化され、国民の負担が減る」としているが、今後の話になる。

 このマイナンバー、そもそもの制度設計が杜撰であることが、さまざま指摘されている。
 例えば、制度自体の欠陥として、
 ・番号のチェックデジットの設計にミスがあり、誤り訂正が不完全
 ・民間含め本人確認に使用してはいけないという規制が徹底されない(運用開始直後に、本人確認に使用した例があった)
 ・基本設計が非開示であり、セキュリティが確保されている保証がない
 また、マイナンバーカードの問題として、
 ・本来は他人に秘匿すべき個人番号が券面に表記されている。
 ・券面の個人番号を隠すケースが配布されているが、番号を記載したQRコードは丸見え
 ・仕様が非公開であり、国民に対して誤った案内をしている(国の窓口が、非接触通信機能はないと回答をした)

 特に、「他人に知られてはいけない」としている個人番号が、券面に表記されており、勤務先や学校、各種手続きで提示しなければいけないことは、覆いがたい設計ミスであり、マイナンバー制度が運用できる条件にないことを示している。

 ところで、政府が「マイナンバーのメリット」としていることも実は嘘である。税や年金、住民票などの情報の連携(それ自体の可否はとりあえず措く)は、マイナンバーなどという新しいものを付番せず、基礎年金番号や住民票コードなど、個人を特定するそれぞれの番号の「対応表」を持ち、システム内部で変換すればよい話だ。情報システムは大きくなるほどセキュリティの確保が難しくなる。なぜ、マイナンバーなどという不要なものをつくってまでセキュリティリスクを高めるのか、何も説明がない。
 更に言えば、政府が必死にマイナンバーカードの便利な用途を強調しているが、そのほとんどはマイナンバーとは無関係であり、マイナンバーカード以外でも実現可能なものだ。各種行政手続きのオンライン申請、身分証明書、各種民間のオンライン取引は、仕様を満たしたICカードに個人証明書の電子鍵を入れれば実現できる。これを、あたかもマイナンバーのメリットのように描くのは国民をだますものだ。

 「メリット」はマイナンバーなしでも実現可能、セキュリティの不安や手続きの煩雑さというデメリットはたくさん。こんな無駄なものにどうして多額の税金を投入するのか。すでに川口市もマイナンバーの整備事業に2億円以上を支出してしまったが、その他にも毎年、負担金を払い続けることになる。今からでもやめた方がよい。

(平川みちや)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)